人間劇場とは

反常識的なもの、よけいなもの、風変わりなもの、猥雑なものへの賛歌

ようこそ、人間劇場へ。

当サイトが扱う主題は、ずばり「人間」です。

とはいっても、このサイトのコンテンツには、立派な人の話、健全な人の話、格調高い批評、あるいは美しい動画や画像はあまり出てきません。

というわけで、ご自分を「正しく真っ当な人間」だと思われている方にとっては、不愉快千万なテキストや動画、画像だらけなのかもしれません。

ご容赦ください。

私どものコンセプトは、人間の弱さや愚かしさ、劣情や奇妙なものへの偏愛といったものへの全肯定であり、とりわけエロいものには力を入れたいと思います。

カトリックでは人間の七つの罪、すなわち「暴食」、「色欲」、「強欲」、「憤怒」、「怠惰」、「傲慢」、「嫉妬」を固く戒めていますが、そんな戒めは『人間劇場』にとって「屁のツッパリ」にもなりません。あっ、品のない表現で申し訳ありません。

当サイトにたどり着かれたのも何かのご縁、ともあれ一度覗いてみてください。

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人間劇場
アラーキー先生と僕

第3回:愛の新世界

アラーキー先生と初の共著

ところでアタクシ、荒木さんと仕事を一緒にしたいと、ずう~っと思い続けていました。それは頭の片隅にいつも引っかかっていて、何か事有るごとに考えていました。

スポーツ紙に連載していたコラム、風俗で働く女のコを取材するうち、せっかくだから本にしたいなあと思って、今は無き某出版社の方に相談すると、快く引き受けてくれました。

でも本にするあたって、何か加えたいと考えていた時、ふと荒木さんのお顔が頭に浮かびます。「そぉーだ! 荒木さんに写真を撮り降ろしてもらい、共著にしよう」と大それたことが思い浮かんだのです。

その話をすると、出版社も大喜びです。荒木さんも引き受けて下さり、私が内容の説明をしてモデルを用意し撮影も完了。そうして出来上がったのが『愛の新世界』というハードカヴァ-の本でした。

タイトルを考えたのは私の新しい女房殿です。なにしろ大学の仏文学科卒ですから。私より物知りなんです。

内容的には、66人の女のコのエピソードですが、荒木さんの写真は独りの女性の私生活を追ったもの。彼女の家に行って、つき合ってる彼氏も登場して、とってもいいモノクロ―ムの写真が撮られ、すばらしい本が出来たんです。

乃木坂の地下室で写真展もやり、何とか私としては達成感を味わえた次第です。荒木さんはどうだったでしょう?

 

主演女優女優鈴木砂羽

ところが、世の何があるかわかりません。その本を見た映画監督の高橋伴明さんから連絡が入り、映画化したいとの申し出があったのです。

「へ~え、本当なのそれ?」と女房殿。早速荒木さんに連絡して了解をいただき、脚本家の青島武さんとお会いします。それから伴明さんと一緒に、何軒か風俗店を案内しまし

た。中でもSM倶楽部に興味を持たれた伴明さんと青島さん。それが映画の内容に大きく反映されることになりました。

面白かったのは、女優をオーディションするってことになり、しかもオールヌードでってことで、荒木さんと私、プロデューサー、監督が審査します。旧テレビ朝日のスタジオで、応募してきた数百人の女性の中から選ぶのですが、これが大変。何回かに分けて審査して四次審査まで終り、最終の段階で残った数人の中から主演女優を選ぶことになりました、

その中に、アノ鈴木砂羽さんがいたのです。彼女はヌードになるってんで、一週間「観音湯」という銭湯に通って塩揉み洗いをしたそうです。荒木さんは、何となく60年代の女っぽいと気に入った様子で、私も彼女しかいないと思っていました。

これは正解でした。その後の彼女の活躍を見れば明らかです。

それにしても脚本の青島さんと監督の伴明さんはスバラシイ。何とこの映画が、日本映画初のヘアヌード解禁映画となったんです。だからといってその後の劇場用映画に何の影響も与えてはいませんが。とにかく勢いがあった映画だったんですよ。

荒木さんも映画の中に登場し、私もちょい役(バーテン)で出させていただいています。私、ちょい役専門ですから。

映画は東映系の映画館で公開され、そこそこ話題を呼んだ記憶があります。ごく最近、ライブ(私、『ペーソス』という特殊歌謡バンドで活動中。その話は別頁で)に来てくれた若い女のコがDVDを見ていたらしく、後日「驚きました」と言われました。

その後、やはり風俗の世界は面白いと言っていた青島武さんから、何かもっと別の企画でVシネ(これって伴明さんが始めた映像表現手段でしたよね)で撮りたいと申し出がありました。内容は、私の事務所を舞台に風俗業界を取材するドタバタ劇でした。

新宿の西口の雑居ビルの2階にセットを組んで、本当にまんま事務所のようなセットが造られました、

主演は私の役を泉谷しげるさん。片腕の役を哀川翔さんが演じてくれました。そういえばまだ出始めの大杉連さんも、ちょい役で出ていました、

私の書く原稿には、必ず4コママンガを添えているのですが、事前に紙に薄く鉛筆で下描きをしておきます。すると泉谷さんが、それにサクサクと上手にペン入れをします。そうなんですよ、この人ってフォークシンガー以前はマンガ家だったんです。どうりで上手いわけですよ。

そのVシネの中でも私、ちょい役で出さしていただいております、女のコを競りにかけて「いくら!」と声をかけてるオヤジたちの中で一番高く叫んだオヤジの役で、舞台に上がり女のコを抱っこする役。自分で言うのもなんですが、ピッタリのハマリ役でした。

 

アムステルダムの夜は更けて

ところで映画『愛の新世界』は、海外の映画祭に出品されました。オランダの『ロッテルダム映画祭』です。旅費を出していただけるというので、監督の伴明さんとプロデューサーと私の3人で行きました。とっても楽しかったです。アムステルダムから入るわけですから、もお見るべき所がいっぱいあります。

偶然ですが、荒木さんの写真展もギャラリーで開催中でした。それにこの街はマリファナやハシシ解禁ですから、自由に堂々と吸えるんです。コーヒーショップという、日本でいう喫茶店みたいな所でメニューを見て、種類豊富なマリファナから好みの物を選べるんです。

なにしろ毎年コンクールがあって、その年一番のマリファナを栽培した人が表彰されちゃったりするわけですから。でも国外には持ち出せません。当たり前か。でも、私はコリゴリです。ちょいと怖いメに会いましたから。

いい気分でアムスの街を歩いていると、向こうの方に見えた路面電車が、まだ遠くだから大丈夫だろうと、線路を渡ろうとしていたら、ガーッと目の前を横切ります。これには驚いたというか真っ青になりました。何かやっぱり感覚がマヒしちゃってんですね。ですから私、もお二度とマリファナはやりません。

それにしてもこの街は面白い。たまたまですが、私の東京の事務所の近くにあるビデオメーカー(格闘技専門)の社長の木暮さんが、アムスに来ていて合流しました。なにしろこの人って、世界中を飛び回ってる人ですから。頻繁にアムスへも来ているらしく、格闘技大会の主催もしている様子。

ですからこちらの有名な格闘家と知り合いで、数多くあるジムも見学させてもらったり、飾り窓やエロエロのバーにも連れてってもらいました。

普段試合の無い格闘家たちの多くは、当時あったディスコティックの、いわゆる用心棒を生業としていて、そこへも連れてってくれました。いやぁ、みんなスゴイ体格で怖かったです。なにしろ格闘家といっても、俺が俺がの世界で、自分が一番強いとみんな思ってるらしく、チャンピオンになっても誰も恐れないんです。

ですから私と木暮さんを夜の街に案内してくれた格闘家も、後ろポケットに拳銃を忍ばせています、「えーっ!」と思いながらも怪しい所を案内してくれました。

でもまあ目的は映画祭ですから、ロッテルダムでは伴明さんを囲んで、日本から来た映画関係者とギリシャ料理屋で食事したりして楽しかったです。

海外、特にヨーロッパでは荒木さんの評価は非常に高く、私もずい分と荒木さんのお供をして旅をしました。最初のきっかけは、おそらくオーストリアのウィーンでの荒木さんの大々的な写真展だったと思います。

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